36協定とは、労働基準法36条が定める労働時間基準を超える場合、労使間で結ぶ協定のことをいいます。
協定の一部内容は2018年改正され新しくなりました。
新しくなった36協定について分かりやすく解説します。
36協定とは?
労働基準法36条は、労働者を時間的に拘束する重労働から守る法律です。長時間労働によって健康被害を訴えるニュースは後を絶ちませんでした。より良い充実した人生を歩むために仕事と生きがいを両立できる、そのような健全な労働環境を提供する、働き方への改革がなされています。
こうして働くという価値は一変しました。家庭と両立を可能にし、女性の活躍も増えています。
時間外労働・休日労働を法的に守るのが36(さぶろく)協定です。
労働基準法とは?
長時間労働に悩みを抱えている、業種や役職による責任からその負担は違います。
でも同じ人間で長時間労働、急な問題で休日返上仕事現場に向かう。続ければ身体に不調を起こすのは一緒です。どんな立場であれ健康を守るために労働基準法は必要です。
雇う側は理不尽に長時間労働を課してしまっている状態を一刻も早く解決するべきです。人手不足ならデジタル化を取り入れる、店舗営業時間を縮小する。解決策はあります。現状に甘んじてはならない、労働者の健康、自身の健康を守るのも経営者の責任です。
健全な上に労働は成り立つということ。時間という観念に限らず、雇う側も働く側も同等で無ければなりません。人権を守る役割があります。
労働基準法36条とは?
36条は時間外労働と休日労働を規定しています。定める労働時間は「1日8時間・1週間40時間」です。これを超える場合、残業手当が必要です。
ただ業務によっては残業時間を事細に把握することが出来ません。営業で外回り、残業も込み給与体系にするなど対応しています。また有給休暇の消化。定められた有給休暇を使いきれずに1年間が過ぎ去る。翌年に繰越対象期間を過ぎれば、クリアされてしまいます。
最近では「働き方改革」在宅ワークにシフトしているため労働に使用するデバイスに労働時間を把握するため専用のアプリも開発され導入し残業時間もしっかり把握する企業もあります。
36協定が定める時間
【許容時間】
労働時間(含残業時間)が上記を超える場合は違反になります。
- 月45時間
- 年360時間
新36協定は労働者と雇用者間の合意に基づき36条で定める労働基準時間を超える、それが予想される場合、労使間で交わす誓約書です。労働者側も向上を求め仕事時間を増やしたい場合もあるのが現場です。
労働者と使用者が納得し交わします。お互いの認識を確認し慎重行うことが重要でしょう。
協定を結ぶ目的は、労働者の健全を守ること、トラブルを防ぐことです。お互いの意思を明確にしておくことでより良い職場環境にしていきたいものです。
締結方法
実際の締結方法は、締結者が
- 雇用する代表者
- 労働組合、労働組合がないなら労働者のなかのリーダー
雇用する側が所定の締結書に許容時間を記載し提示し、労働組合が提示条件を確認・納得の上で署名します。
違反に対する法的措置
36協定に基づき、これに違反した場合は法的措置が課せられます。罰則規定は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」です。
協定は労働者の意思に基づくものでなければなりません。強いて契約するのは違反です。企業は労働環境を健全にする義務があります。
ただ36協定は新しくなったといえども、課題はあります。締結をよそに時間外労働を課す使用者に対し訴えようとする場合に物理的に証拠を提示するのが難しいと感じてしまいます。使用者は労基法の「健全な労働環境・労使の立場は対等」という真意を忘れてはいけません。
特別条項有無に注意
特別条項「有り(付き)」と「無し」の2種類があり、それぞれ所定の締結書が決まっています。
「特別条項」とは何でしょう。特別に臨時的に限り36協定許容時間外労働を年6回まで受容されます。
改正される前は特別条項付き36協定を締結すれば無制限に労働時間を強いてしまうことに問題がありました。上限を加えて改定したのが新しいといわれる点です。
法的措置事例
法的措置を取る事例を紹介します。
- 特別条項無の36協定を締結したにも関わらず協定以上の労働時間を強いられる
- 特別条項有を更に超える労働時間を強いられる
このような事例に当てはまる場合は労働基準監督署へ相談しましょう。
まとめ/基本労働時間を超える場合、労使間の36協定必須
心身共に健康のために、ご自身の労働時間をチェックしましょう。将来の健康にも関わります。
労働者を時間的な拘束から守るのが労働基準法36条です。定めている基準時間を超える場合は36協定を労使間で結ぶことは法律で定められています。 締結しているにも関わらず雇用者が対応しない場合は労働基準監督署に相談しましょう。